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北米バレエ留学についていった話
京都のはずれにある小さなバレエ教室からいきなり4人の生徒がニューヨークとボストンにバレエ留学をすることになり、教室の先生の配偶者である甲斐性なし旦那が生徒達を引率してひと夏を見守ることになったのだが…
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Author:引率の者
妻(元バレリーナ)が拾ってくれなかったら、僕はとうの昔に大西洋で魚のエサになっていただろうな。いまは小さなバレエ教室の隅っこで日々たのしく暮らしています。もう大丈夫。



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サリバン先生
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朝起きると下のベッドで寝ていたのは、なぜか「むきちゃん」ではなくさわやか系男前の東南アジア人だった。受付スタッフに聞くと昨日の晩のうちに部屋をかわり、いまは隣の部屋にいるとのこと、たぶんこの部屋が寒すぎたのだろう。共同スペースで無料朝ご飯をまっていたのだが、いっこうに始まる様子も無く生徒を迎えに行く時間がせまってきたのであきらめた。オレンジジュースだけ買って飲んだ。

7時50分に宿泊先前に到着、Kちゃんは今日からが本番、緊張してないか?朝ご飯はちゃんと食べたのか?よく眠れたのか?

タイムズスクエア駅に向かう道のりは地上を行くことにする。朝だからまだ暑くなくてよい。途中で牛丼の吉野家をみつけた。スキヤキ・ビーフ・ライスだからアメリカ人にも受けの良いジャンクフードだ。紅ショウガをごっそりうずたかく牛丼のうえに盛るのだろうか。パチンコ屋のようなビカビカ電飾のマクドナルドを通り過ぎて地下鉄駅へ、ユニオンスクエア駅まで黄色電車にのる。

ABTの前までくると、なにやら人の列ができていた。すわ先ほどのパチンコ屋マクドナルド新装開店ジャンジャンバラバラの列がこんなところまで、と思ったら、並んでいるのは妖精さんみたいな人々とその飼い主みたいな人々だったので。こちらも妖精さんの引率者としておとなしくそこに並ぶことにする。並んで待っていると、列はそれからもどんどんどんどん伸びて行き、われわれはその数百人の行列のちょうど中間地点にいることになった。

列が動き出した。ABTサマーインテンシブのはじまりはじまり。ABTのスタッフおにいさんがなにやら妖精をABTの建物に放り込んだら飼い主とはお別れだ、と言っている。今日はクラス分けテストのはずだから、昼までには終わるのか?となりにいた飼い主にたずねると、わからない誰かがおしえてくれるはずだからここで待っているのとのこと。

ぼけーと待つこと20分、Nちゃんが座りたそうにしている。さきほど道ばたにヤンキー座りをしようとした者に、アメリカでその座り方はあり得ないのでやめろといったので、必死に立っているようだが、限界っぽい。しんどいというので近くのオープンカフェの椅子にすわらせて、アイスティーを頼む。その席は喫茶客用ではなく食事客用であるのだが、ふらふらになっている生徒をみてマネージャの人が「いいよ」と使わせてくれた。男前だ。とってかえして、ABT前まで戻ると待っている人の数が減っていた。また昼くらい戻ってくるという。お弁当を持たせていないので、後で届けよう。

ぐったりしているNちゃんをいったん宿泊先にとどけるためにユニオンスクエア駅に引き返す。途中で青空市場にあった赤いおいしそうなトマトを8つ購入。

Nちゃんを宿泊先に放り込み寝てろ寝てろネテロと言い、のこりの生徒をつれてステップスに向かう。ここでは複数のレベルのクラスが同時開講されていて、どの時間に行ってもそれなりに受講できるのが特徴だ。上の初級クラスがもうすぐ始まるのでこれを受講することにする。クラス終了後はステップス喫茶店で昼ご飯を食べて待っていることを約束し、ABTにひとりで戻る。

ABTの前は先ほどの待ち人がもう並んでいた。いそいで近くのデリでサンドイッチをつくってもらい、半分に切りそれぞれを別に包むように言う。レジの女に2つ分の料金を請求されそうになり、間違いを正すと不機嫌そうに打ち直した。愛想がないなら厨房にでもいてくれないか?人間関係苦労してるやろ泣かしたろか?

12時をすぎるころにABT妖精たちが降りてきた。飼い主からお昼ご飯を受け取る者、自分たちで買いにでる者のなかにKちゃんの姿はない。しばらく待っていたのだが昼休みがおわるであろう1時まで、あと30分を過ぎるころにあきらめて入り口の警備員に片方のサンドイッチと飲み物を届けるようにだめもとで依頼する。意外にもこころよく引き受けてくれた。生徒の名前をサンドイッチの包み紙に書けという。こういう柔軟性があったりなかったりのアメリカだ。まさか届ける振りをして、裏でこっそり食べてしまうのではないか?Kちゃんではなくケイトナニガシちゃんに届いてしまうのではないか?等懸念はあったがその場をあとにする。

ユニオンスクエアの木陰で残り半分のサンドイッチをたべる。木陰は涼しい。サンドイッチうまい。おれしらないまちにいてすることもないよ。ていうかあってもしないよ。周りに同じように所在無さげに座っている人々をみているとかつてのダメ人間に戻りそうになりあせる。ステップスに引き返す。

ステップスに戻ると、生徒は喫茶店にいてなにか昼ご飯を食べている。誰かに話しかけられているので、声をかけずに遠くから観察することにする。日本人らしき人がいて通訳もしてもらっているみたいだ。できるだけ頼るなよ、英語で返事しろとハラハラドキドキしていると、生徒と話していた女の人がこちらに歩いてきたので、こいつらみたいな者とお話をしてくれてどうもありがとうございます、と言うとそのかたは本日のクラスの先生だった。サリバン先生という。その場でうちの生徒についていろいろほめてくれたのだがバレエ用語がまったくわからないので、ありがとうござんすへへへへへとしか言えなかった。

昼ご飯をすませた生徒を宿泊先に連れ帰り、用事をすませてからKちゃんをむかえに行く。終了が4時半と聞いていたが4時頃には終わったらしく、こちらに気がついたKちゃんが映画館の角から手を振るのをみつける。聞けばやはりお弁当はお昼時間には届かなかったらしくお腹がぺこぺこなのだそうだ。悪いことをしたな。午前中に「バレリーナとしての心得十か条」的なレクチャーが英語であって、午後からクラス分けテストをふくめたレッスンがあったらしい。この緊張感あふれるレッスンの最中に「Kサ~ン、アナタノオベントデ~ス」とサンドイッチが届いたらしい。ライバル達の緊張感を断ち切る頭脳戦だな。

宿泊先に帰り生徒全員で食料等の買い出しへ。日本のパンのようなしっとりとした食感のポテトブレッドと鮭フレークいりのクリームチーズをすすめる。薬局へ行きランチバッグと保冷剤も購入する。Kちゃんは毎朝デリでサンドイッチをつくってもらい保冷剤とともにランチバッグにいれお弁当にするのだ。

今日の一番の目標は「洗濯をしよう」に決まっていたので、荷物を置いて、洗濯物を持ってコインランドリーにでかける。全員の洗濯物を一緒に洗うために、各自に洗濯物をそれぞれの洗濯ネットにいれてまわすことにするらしい。色もの白ものを分けていなかったので分けさせる。洗濯は25分ほどで終わり、乾燥もいろいろ試した結果、各自の洗濯物にわけて個別に乾燥すれば早く安くすむことがわかった。このあたりは洗濯屋のスペイン語しか話さないおばあちゃんに身振り手振りで教えてもらった。シーシーグラシアス、セニョリータ。

洗濯物をたたみ生徒たちの宿泊先へ運んで解散。あしたは7時半集合だ。

この日、僕の本来の宿泊先が改装工事を終了し宿泊を再開する予定だったが、まだ終わってなかったのでまたもや大荷物をかついでもとの宿泊先にもどる。途中の電車のなかで初老の黒人女性から「どこからきたの、ふーん、がんばってね、きをつけなさいよ」と親切なお言葉をいただき、泣きそうになる。お母ちゃんありがとう。

ふたたび同じ施設に宿泊することになり、いくつか新しい事実に気づく。支払いのレシートには宿泊部屋の番号と就寝するベッドのアルファベットが記されており、勝手に好きなところに寝てはならない。おとといいた「みるな」の兄さんは僕のベッドに寝ていたことになる。昼間にベッドの上に残された私物はゴミと判断され無くなったりするのでかばんの中にしまっておくこと。貴重品をしまうロッカーを施錠するための南京錠を買っておくとよい。
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テーマ:バレエ - ジャンル:学問・文化・芸術



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