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北米バレエ留学についていった話
京都のはずれにある小さなバレエ教室からいきなり4人の生徒がニューヨークとボストンにバレエ留学をすることになり、教室の先生の配偶者である甲斐性なし旦那が生徒達を引率してひと夏を見守ることになったのだが…
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Author:引率の者
妻(元バレリーナ)が拾ってくれなかったら、僕はとうの昔に大西洋で魚のエサになっていただろうな。いまは小さなバレエ教室の隅っこで日々たのしく暮らしています。もう大丈夫。



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ゲイナーミンデン
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今日はステップスデビューの日なので8時に集合することになっていた。いろいろ準備や日記書きをするので朝6時に目覚ましをセットして寝たのに夜中の3時に目が覚めた。時差ぼけで眠れない。食べられない時に食べることと、眠れない時に眠ることを心がけている者として、ひたすら眠ることに集中する。横になり目を閉じることで、結果おなじ時間睡眠をしたことになるという、昔読んだ英国王立陸軍マニュアルをひたすら信じる。

6時前には同室の宿泊者も起き始めたようだ、昨日挨拶した「みるな」の兄さんはまだ寝ている。2段ベッドの下に宿泊していたのは、南アフリカ共和国から来たカメラマンを目指しているという青年。何千キロも離れたここニューヨークに「でゅでゅっふぇでゅー」みたいな名前の応援ラッパを持ってきていた。つくづく愛国者だ。昨晩は帰室後にみんなが起きないように電気をつけないまま自分の就寝の用意をしたり、一晩中ごいんごいんうなり続けたエアコンで室内が冷蔵庫のごとく冷えきっているのに誰も面倒くさくて知らない振りをしていたのを彼がとめてくれた。起床後のベッドメイキングも正確だ、悪くないぞ新兵。おまえとはいい友達になれそうだな。お互い自己紹介の結果、ぼくが「あき」彼が「むき」ということが判明。アフリカの人名と日本の人名はよく似ている。ニャホニャホタマクロー。

ななめ下のベッドにはいつのまにか女が寝てた、髪の長いやさ男ではなく、靴が女モノだから女だ。ここは男女別ではなかったのか。

朝食を食う。シリアル。こんなへろへろな食べもんで大東亜戦争を戦いぬいたアメリカ人は実は本当は超低燃費なんじゃないのか。

生徒たちと集合して、ステップスに向かう途中での乗り換えで少し迷う。来たことある駅なのに迷う。マンハッタン島はバイオメカニクス構造だから常に変化をしているに違いない。

ステップスは一番乗り、受付をすませて生徒は更衣室へ。場所は自分で聞いてね。そろそろ通訳の頻度を下げ始める。寮にはいったら自分で何事にも対処しなくてはならない、子を谷底に突き落とす親獅子の気分だ、いい気分だ。

生徒はストレッチをはじめる。受講生が増えてきた。老若男女人種様々だ。プロを目指す「とぎたてナイフ」のような若者だけでなく、ニューヨークシティーでの昼下がりはバレエレッスンですごすのわたし的なセレブのおばちゃんや、視覚的な充足感のみを追求するためにできもしないバレエレッスンに通ってるだろうおまえおまえな男も見受けられる。

新規入会にはたくさんのアメリカ人中高生が来ていた。ABTやNYCBのサマースクールに入学する生徒たちだろう。おまえたちのライバルだ。レッスンが始まった。スタジオの扉は透明なので見学はできるのだが、しない。あやしいアジア人がそんなところに立っていたらトラブルの原因だ。スタジオ横のステップス直営喫茶店でコーヒーを飲むことにする。

窓越しに日差しを背に浴びて、スタジオから漏れるピアノの音、眼下に行き交う色とりどりの車両、100年以上も前からそこにある高層建築群。喫茶店のおねいさんがランチボックスを並べはじめたので訪ねると、それらはダンサー食であると言う。ちょっと多すきるんじゃないかと言うと、日本人はあまり食べないねだから細いのねと、、、まあ背も低いけどな。

生徒を待ってすわっている目の前でエレベーターが故障したようで1階に行った人が戻ってきた。1階の扉が開かないらしい。手動開閉だからな。何人もエレベーターで下に降りては帰ってきて、受付に故障の件を報告する。「そうなの、こわれてしまっているの、こまるわぁー」、、張り紙でもしようよ。

レッスン後にKちゃんがトウシューズ「ゲイナーミンデン」の購入できるバレエ用品店を受付にたずねた。アメリカでは2つのことを同時にたのむと、1つしか遂行されない。しかも自信満々で。「バレエ用品店の場所」と「そこでのゲイナーミンデンの有無」を同時に質問しても、前者の答えしか帰ってこない。またもや御丁寧にカペジオの場所まで地図に書いてくれた。しつこく「ゲイナー」を連発していると、受付おにいさんがわざわざネットを調べてゲイナー本社の場所を教えてくれた。Kちゃんに地図で捜させる。ニューヨークに生活するには道路網の法則を理解しなくてはならない。

マンハッタンからセントラルパークを上に見て、縦の通りを「アベニュー」、横の通りを「ストリート」。「アベニュー」はパークアベニューを軸に西方向・東方向に順番に番号がふってあり、「ストリート」は下から上だ。最寄りの駅を確認して出発する。暑い昼下がりだ。地下鉄の各駅のプラットホームには地上の道路名が掲示されており、電車内から確認しながら駅々を通過する。

「12ndストリート」で地上にあがり、ゲイナー本社を捜すが、完全な住宅街でそれらしきものが見当たらない。暑い。仕方が無いので第2候補として近くのバレエ用品店に行ってみることにする。暑い。再び別の地下鉄でひと駅乗って降りるとエンパイアステートビルの間近だった。暑いので興味が無い。ほらキングコングがのぼったところだよ。ふーん。暑い。

空調の利いた古本屋で道を尋ねるついでに、涼む。店員さんの「アメリカ合衆国における日本文化の紹介に関する歴史的な経緯」についての説明を興味深く拝聴するふりをして、生徒達をしばらくクールダウンする。バレエ用品店はしまっていた。もどろう

へとへとになりながらも、宿泊先近くのスーパーで果物と「フローズンヨーグルト」を購入する。夏のバレリーナにはカロリーの高い普通のアイスクリームは危険な誘惑だ。

宿泊先にたどりつき、生徒にはシャワーをして2時間ほど休むようにいう。ぼくは暑いがまだまだ動ける。ネットに接続できる場所を探して昼下がりのミッドタウンを右往左往する。4ドル以上買ったら回線空けてやるよ言われたので、4ドル50セントのバケツジュースを購入する。目の前で各種くだものを惜しげも無くジューサーに放り込んで冷えたフルーツシェイクができた。この量ならむしろ安い。ゲイナーミンデンの場所を検索すると、やはり先ほどうろうろしていた住宅街の一室に在するらしいことがわかった。明日以降もう一度トライしよう。

6時にまたまたレニーズで夕食。サンドイッチを全種類制覇する誓いをたてる。アメリカのサンドイッチはそれほどおいしいものだ。その後解散またあした。宿泊先にもどると「むきちゃん」はまだ帰っていなかった。9時には就寝。今日はよく眠れそうだ。
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テーマ:バレエ - ジャンル:学問・文化・芸術



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