FC2ブログ
北米バレエ留学についていった話
京都のはずれにある小さなバレエ教室からいきなり4人の生徒がニューヨークとボストンにバレエ留学をすることになり、教室の先生の配偶者である甲斐性なし旦那が生徒達を引率してひと夏を見守ることになったのだが…
プロフィール

引率の者

Author:引率の者
妻(元バレリーナ)が拾ってくれなかったら、僕はとうの昔に大西洋で魚のエサになっていただろうな。いまは小さなバレエ教室の隅っこで日々たのしく暮らしています。もう大丈夫。



最新記事



最新コメント



最新トラックバック



月別アーカイブ



カテゴリ



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

天使がでたぞ
0702.jpg

今日は大切な日だ。アメリカ人のご家庭に夕食をお呼ばれしているわけである。約束の時間は午後7時。

Kちゃんを送った後、宿に戻って朝食を食べ、本日の仕事をさっさと片付ける。忙しい日なのにボクシングに行く。前とは違うジムに訪れる。コーチング付きの練習で25ドルのところを20ドルしか持っていかなかったのに、はげしく稽古をつけてくれた。張り切りすぎてランニングマシーンから転がり落ちる。手足を擦りむいた。こちらのジムの方が自分に向いているようなので、来週からこっちに通うことにしよう。

練習を切り上げたのが3時。もう一度宿に帰ってシャワーをし、出来る限りのこぎれいな格好に着替える。昨日買った日本のお菓子を薬局で手に入れたプレゼント袋につめて、お出かけ用の黒革靴に履き替えて出かける。

Kちゃんを宿泊先に送ったのが5時すぎ、すぐにシャワーをしてお出かけの支度をし、6時までに降りてくるように言う。

6時ちょうどにKちゃんと宿泊先を後にして地下鉄の駅にむかう。今日は初めての路線を使うことになるので、前日に地図でよく確認をしておいた。30分あればたどり着けるようだ。

地下鉄が止まった。近くの駅に向かうお客は歩いたほうが早いかもですよ。というアナウンスが流れているので。地上に出て乗り換え駅をめざす。途中で道がわからなくなってきたので、お巡りさんに聞いたら、今は警察犬の訓練中だから相手が出来ない、そこのビルの受付で聞いてくれ。と言われた。犬のほうに聞けばよかった。

日本人らしく午後7時ちょうどに目的のマンションの受付から訪問の確認をしてもらった。マンションに24時間の受付があるのはお金持ちの証拠だから俺たちビビってる。エレベーターがどんどん上がっていき、京都市内ではありえない高さで停止した。

エレベーターから踏み出すと廊下の向こうで扉がひらき奥さんがこちらに微笑んでくれた。夕食のお誘いのお礼を言い、中に入るとご主人が出てきて自己紹介となった。話し方のやわらかい優しい人だ。今宵はいろいろ面白いことを言ってこの人たちを楽しませなければ。

マンションの部屋の中はテニスコート2面分の広さはあった。北西方向の2面は大きな窓となっていて夕方のニューヨークを映していた。部屋の中の調度品を見て、この方々はジュイッシュの人だという僕の予想は的中していた。名前からはなんとなく感づいていたがいくつかのアイコンでわかることがある。

やがて他のお客さんが次々と集まり始めた。ジュイッシュの仲間やそうでない仲間、ABTの妖精さんが3人、Kちゃんを含めれば4人なのか?

それぞれ挨拶しあった後、ご主人がユダヤ教の儀式の説明を始めた。金曜日は特別な日でこうやって宴を開くことは喜ばしいことである。ジュイッシュの人もそうでない人も一緒になってこの日をお祝いしてくれたらとても嬉しい。ただし天使のおりてくる間だけは喋らないでください。その後は楽しい食事にしましょう。なお私のマハラジャ衣装は、インドでは花婿の衣装として今日着用されていて、この儀式は結婚式と同じようにとりおこなわれることから、私は着ることにしています。

そう言った後、奥さんとお友達が唄を歌いながらロウソクに火を灯していった。この節に日本人は弱い、異国の旋律でありながら開けてはいけない深き記憶の扉への合い言葉。続いて、みんなで食卓を囲んで合唱をする。知らないヘブライ語の唄なので適当にフンフンあわせる。世界の創世の七日間のお話しらしい。

筒が2本ななめに組合わさった水筒で手を洗う時から喋ってはならない、なぜなら天使がおりてきているからだ。音をたてるとびっくりして逃げてしまうのだろう。

全員無言で手を洗った後に、奥さんがパンに塩を一振りしてから食べやすいかたちに分けてくれた。それを全員無言で見守った。パンの乗ったお盆を順番にまわして、ひとつずつ手に取り口に運ぶ。食べた人から喋ってもよい。天使はもう帰ってしまった。

シャンパンとリンゴジュースで乾杯をした後に夕食となった。奥さんがユニオンスクエアで買ってきた有機栽培の野菜を中心とした健康的な料理の数々。青菜野菜と豆をハーブであえたもの、インゲン豆と豆腐のスパイシー煮込み、キュウリとタマネギのマリネ、新鮮なトマトとチーズ、カブラとレタスのサラダは特製ドレッシングで。等々、実に様々な料理がテーブルを埋め尽くし、それらを遠慮なくお皿に山盛りにして一心不乱にウマイウマイと食べてしまった。

ご主人はKちゃんの隣にすわって、始終ニコニコして、料理を取り分けてくれたり、なくなったリンゴジュースを補充してくれたりし、まだあまり英語のわからないKちゃんのために、ことあるごとに僕に皆の会話を翻訳してやってくれと頼むなど気にかけてくれていた。僕はウマイウマイが優先だった。

ウマイウマイもお腹の皮が限界だったので、最期にデザートにアイスクリームをいただいた。もうそろそろ帰らなければならない時間だ。

テーブルを立ちみんなにお礼とさよならを言った。

「日本を出てからいままで家庭の食卓につくことが無かったので今日はお招きくださりたいへん嬉しく思いました。とくにこのハーブのあえものがいい」

ゲストブックに記帳してくれというので日本語と英語でメッセージを書いた。もっと居てお話したかったけど明日も早い。奥さんに見送られながら部屋をあとにした。

あしたは8時集合。楽しい週末はまだまだ続くぞ。
スポンサーサイト

テーマ:バレエ - ジャンル:学問・文化・芸術



トラックバック
トラックバック URL
→http://balletseaman.blog87.fc2.com/tb.php/16-ab8d591c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。